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【投資歴10年超の投資家が解説】長期投資が続かない理由

ゆう

この記事では、「長期投資が続かない理由」を解説します。

みなさんこんにちは。新NISAをきっかけに投資を始めた人も多いと思います。多くの投資初心者が長期投資を実践しようと思い証券口座を開設して毎月コツコツと投資に励んでいることと思います。しかし実は長期投資を継続できる人はかなり少ないことがわかっています。

それはなぜか、解説します。

筆者について
この記事を書いている僕は、30代の一般的な会社員(持家・妻と子ども2人の4人家族)です。FIRE達成へのモチベーションを維持させるとともに、誰かの参考になれたら嬉しいと思い、2020年8月にこのブログを開設しました。

長期投資が王道と言われる理由

長期投資は、資産を効率よく増やすための王道とも言えます。特に、S&P500や全世界株に連動する投資信託をコツコツと積み立てる方法は、多くの専門家からも推奨されています。過去のデータを見ても、これらの株価は長期的には右肩上がりの傾向があります。

例えば、S&P500の過去20年の平均利回りは12%に達しており(※1)、月3万円を20年間積み立てた場合、元本720万円に対して資産が2,967万円になるという驚きの結果が出ています。

しかし、日本人の投資信託の平均保有年数はわずか4年弱です(※2)。長期投資を続けることができる人は少数派です。そこで、なぜ多くの人が長期投資を続けられないのか、その理由を5つに分けて解説していきます。

(※1)myINDEXよりS&P500の配当込み・円建てのリターンを引用
(※2)公益財団法人 日本証券経済研究所の「日米欧の投資信託平均保有年数」より

理由1:含み損に耐えられない

将来的な株価の成長に期待して運用を始めるわけですが、S&P500の過去の推移からも分かる通り、運用を続ける中で一時的な暴落には必ず遭遇します。その時に発生する大きな含み損に耐え切れず、あえなく売却してしまうわけです。

投資の森より引用

実は、投資で100万円の含み益が出た時の喜び度を100とすると、同じく100万円の含み損が出た時の悲しみ度は200にもなります。これはプロスペクト理論として知られ、人間は損失の方が利益よりも強く感じるという性質を持っています。

プロスペクト理論とは損失回避性とも呼ばれ、人は損失に対して過剰に評価する傾向にあり、現実の損得と心理的な損得とが一致しないということを指します。

プロスペクト理論は、1979年に行動経済学者であるダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが提唱した理論です。

一般社団法人日本経営心理士協会より)

また、人間は相場が上昇トレンドに入ると、それがずっと続くと錯覚しがちですし、逆に下落トレンドに入ると、それが永続すると錯覚します。これを直線本能と言います。この性質により、暴落時に含み損が広がり続けるのではないかという不安に駆られ、売却してしまうのです。

理由2:期待と現実のギャップ

多くの人は、右肩上がりの運用シミュレーションを見て積み立て投資を始めます。しかし、現実の運用では短期的な上下動があり、期待通りの成果が出ないこともあります。このギャップが原因で、「思っていたのと違う」と感じて投資をやめてしまうことが多いです。

例えば、シミュレーション上では毎年着実に利益を出しているように見えても、実際には資産が大きく増える年もあれば、逆に大きく減る年もあります。これにより、「見込みと違う」「損をしている」と感じ、投資を続ける意欲が失われてしまいます。

理由3:投資の目的が曖昧

投資をする際に明確な目的を持っていないと、長期投資を続けるのが難しくなります。例えば、「老後の生活資金のために2000万円を準備したい」という確固たる目標があると、その目標に向かって投資を続けやすくなります。

一方、目的を定めずになんとなく始めた投資は、暴落時や目先の利益に惑わされて簡単に売却してしまいます。例えば、相場が好調で含み益が出た時に「100万円も儲かったし、新車を買おう」と思って全て売却してしまうなど、目先の欲求に流されてしまうのです。

理由4:トレンドの変化に振り回される

最近では、SNSやメディアでの情報が氾濫しており、トレンドに影響されやすくなっています。特に、2020年のコロナショック以降、積み立て投資が一時的に大きな利益をもたらしたことで、多くの人が飛びつきました。

しかし、トレンドはいつか終わるものであり、暴落が起きると順調に増えてきた資産が急激に目減りすることがあります。すると、トレンドも即座に終了し、「積み立て投資はオワコン」「株価はもう戻らない」といった否定的な意見がネット上に溢れます。このような状況で、バンドワゴン効果により多くの人が売却してしまいます。

理由5:余剰資金を超えた投資

投資は余剰資金で行うべきですが、その鉄則を守らずに無理な金額を投資に回してしまう人も多いです。例えば、利回り5%で20年間積み立て投資をした場合、月万円の積み立て額で20年後の資産は約4,946万円になりますが、月10万円にすると利益は倍の約9,892万円になります。

この効果に魅了されて資産の大半を積み立てに回してしまうと、会社が倒産したり、緊急の出費が必要になった時に対応できなくなります。結果として、不測の事態に対応するためにやむを得ず投資を解約することになります。

まとめ

長期投資を続けるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  1. 含み損に対する心構えを持つ。
  2. 期待と現実のギャップを理解する。
  3. 明確な投資目的を設定する。
  4. トレンドに惑わされず冷静に判断する。
  5. 余剰資金で無理なく投資する。

長期投資は一度始めたら終わりではなく、継続することに価値があります。皆さんも今回のポイントを参考に、しっかりとした投資計画を立てて、長期的な資産形成を目指してください。

それでは、次回の記事でお会いしましょう!