野村Webローンってどうなの?資産運用に活用できる?
この記事では、こんな悩みにお答えします。
本記事の内容
- 野村Webローンを活用して効率的に資産形成しよう
執筆者について
この記事を書いている僕は、30代の一般的な共働き世帯(持家・子ども1人)です。
資産形成の過程を発信することでモチベーションをアップさせるとともに、誰かの参考になれたら嬉しいと思い、2020年8月にこのブログを開設しました。
資産形成をしていると、「借金は絶対に避けるべき。利息を払う側ではなく、もらう側になりましょう」という人がいます。しかし、上手に借金を活用すれば、格段に効率よく資産形成ができます。
不動産投資は銀行からお金を借りて手持ち資金の何倍もの資産を獲得できることにうま味がある投資手法だよね!同じようなことが株式投資でもできたら最高じゃない?
借入を活用した投資は上記のように不動産投資が代表的ですが、実は株式投資でも借入を利用できます。
それが、証券担保ローンです。不動産投資の場合は、貸し手(銀行など)は購入した不動産を担保にとっているわけですが、株式投資の場合は、借り手が所有している有価証券(株式・債券・投資信託など)を担保にとってお金を貸してくれます。
有価証券を担保にした借入(ローン)なので、「証券担保ローン」といいます。
証券担保ローンは色々な金融機関が提供していますが、最も利用しやすいのが、野村信託銀行の提供する、野村Webローンです。
実際に僕は、野村信託銀行の野村Webローンを利用して投資をしているので、この記事では、野村Webローンの特長や、僕の活用法について解説します。また、余計なコストを払うことなく野村Webローンを利用する手段としてマネックス証券の活用をお勧めします。
ぜひご一読ください。
それでは早速いきましょう!
Contents
【レバレッジ効果】借入で資産形成が加速する理由
借入で資産形成が加速する理由は、ローンを組むことでレバレッジ効果(少ない自己資金でより大きな利益を得ること)を得ることができるからです。
金融機関から、お金を借りて投資に回して収益を得ることで、手持ち資金だけで投資をするよりも何倍ものリターンを得ることができます。
例えば、自己資金を1,000万円持つ人が、全額を投資に回して、年3%の利回りを得たとすると、年間収益は30万円になります。
ここで、1000万円を2.0%の金利で借り入れて、合計2,000万円を投資した場合は、金利を差し引いた後の年間収益は40万円となり、自己資金のみで投資をするよりも多くの収益を生み出すことができます(計算式は以下のとおり)。
- 収益:2,000万円×3%=60万円
- 金利:1,000万円×2%=20万円
- 手残り:60万円-20万円=40万円
これがレバレッジ効果です。
株式投資でレバレッジ効果を得るなら証券担保ローン
レバレッジ効果はわかるけど、株式投資で活用できるの?
証券担保ローンならできるよ!
レバレッジ効果は上記のとおり資産形成を加速させることができます。ところが、実際にお金を借りようとすると大半は以下のどれかに引っかかってしまい、利用が難しいのが実情です。
- 金利が高すぎて利益を狙うことが難しい(消費者金融など)
- 資金の用途が制限されている(不動産投資ローンなど)
- 返済期限が短期に設定されていて自由度が低い
この3つのハードルをすべてクリアしているローンが証券担保ローンです。そして、その中でも最も利用のハードルが低いのが、野村信託銀行の「野村Webローン」です。
証券担保ローンは不動産投資ローンの株式投資バージョン、と考えるとわかりやすいです。不動産投資ローンは、購入する不動産に担保を設定して、万一ローンが回収できない場合は不動産を売却したお金から弁済を優先的に受けることができることを条件に貸付をするローンです。証券担保ローンは、不動産の代わりに、証券、つまり株式などの有価証券を担保にお金を借りるローンです。担保を設定することで回収リスクが低くなるため、消費者金融などと比較して低金利でお金を調達できます。また、調達した資金の使途は自由であることが多く、調達したお金を利用して株式を購入することも可能です。更に、あくまで担保を設定するだけで、該当の証券を売却するわけではないので、配当や株主優待はそのまま受領し続けることが可能です。
- 証券に担保を設定することで低金利でお金を調達できる
- 契約上、調達した資金を株式投資に用いることが許容されている(=レバレッジ効果)
- 担保に設定した株式から配当や株主優待を受領し続けることが可能
野村Webローンの特長
証券担保ローンを利用して株式投資でレバレッジ効果を狙えるのはわかったけど、その中でも野村Webローンがお勧めなのはなぜ?
野村Webローンの特長として、金利が低いことと、最低利用額が低いことが挙げられるよ。そのほかにも特長があるから説明するね!
圧倒的低金利【1.5%(2024年6月1日時点)】
最低借入額が少額【10万円から借りられる】
オンラインで借入・返済ができる【超便利】
返済手数料、出金手数料等無料【余計なコストがかからない】
資金使途は原則自由【株式購入もOK】
配当・優待は変わらず受け取れる【配当、優待投資に最適】
返済期日が定められていない【柔軟に運用できる】
借金していることがばれない
圧倒的低金利【1.5%(2024年6月1日時点)】
まずは何といっても、低金利であることです。金利が低いとそれだけ利益を確保しやすいので、金利が低い点は非常に重要です。
2024年6月1日現在、金利は1.5%です。例えば、日本証券金融の証券担保ローンの金利は最低でも2.675%です。野村Webローンが低金利であることが理解できると思います。
ただし、野村Webローンの金利は市場の動向を受けて随時変更される可能性があるので、1.5%で固定されているわけではありません。その点は注意が必要です。
最低借入額が少額【10万円から借りられる】
野村Webローンでは、10万円以上1万円単位でローンを組むことができます。
例えば、国内上場株式の場合は、時価の50%が担保価値となりますので時価評価20万円以上の株式を担保に設定すれば借り入れることが可能です。
最低借入額が少額ということは、資産形成の早い段階から証券担保ローンを利用できることを意味します。レバレッジ効果を上手に利用して資産形成を加速させたいですね。
オンラインで借入・返済ができる【超便利】
また、野村Webローンは借入や返済手続きが基本的にすべてオンラインで完結します。
いちいち野村證券の店舗に行くといった必要は基本的にありません。
返済手数料、出金手数料等無料【余計なコストがかからない】
野村Webローンで借りたお金を野村証券の口座に引き出したり、あるいは野村證券の口座に入ってきた配当金を使って野村Webローンを一部返済する場合に、手数料は一切かかりません。
資金使途は原則自由【株式購入もOK】
借りたお金の使途は原則として自由です。
株式や投資信託を買うことも可能ですので、レバレッジ効果の恩恵を受けることが可能です。
配当・優待は変わらず受け取れる【配当、優待投資に最適】
野村Webローンは株式等を担保に差し入れるだけ(株式の所有者は変わらない)なので、配当や株主優待は問題なく受け取ることが可能です(野村證券に電話して確認済です)。また、私は複数の優待銘柄を実際に担保設定していますが、問題なく配当・優待を受領できていることからも断言できます。長期保有で優待がグレードアップする銘柄についても影響ありません。
配当や優待目当てに購入した株を担保に入れて、効率的に資産運用することが可能です。
返済期日が定められていない【柔軟に運用できる】
野村Webローンは、返済期日が定められていません。
通常のローンは、「1年後に利息をつけて返す」など、返済期日が決められていますが、野村Webローンは自分のペースで返済可能なため、自由度が非常に高いです。
その代わり、野村Webローンでは半年に一度ローン契約が更新され、その際に「元加」が行われます。
元加:発生した利息を借入残高に組入れることです。借入残高に基づく利息を計算し、その利息を借入残高へ組入れます。
利息が残高に組み込まれるということは、それだけ元本が増えるので次回以降の利息も増えることになります。
借金していることがばれない
借入をしていることが株を発行している会社に把握されることもない、というのも魅力的な特長です。
野村Webローンは保有している株式を担保として野村信託銀行に差し入れ、その担保価値に応じてお金を借り入れることができるという仕組みです。
この「担保として差し入れる」というのは、具体的にはどういう意味かというと、「株式に質権を設定する」ということを指します。
このことは、野村信託銀行の定める、「野村Webローン約款」を読むとわかります。
「野村Webローン約款」第9条
(1)(省略)
(2) 担保有価証券については、お客様が当社に対し現在及び将来負担する一切の債務の担保として、当社を権利者とする根質権を設定していただきます。
ここで気になるのは、「質権を設定すること(≒借金をしていること)が株式を発行している企業にばれたりするのか」という点です。自分がお金を借りているということを他人に知られたくないですよね。
特に、従業員持株会で積み立てた自社株を担保に設定したいという場合は、この点はかなり気になるポイントだと思います。
そこで更に条文を読むと、同条には以下の規定があります。
「野村Webローン約款」第9条(2)続き
(2) …この場合において、担保として差入れる有価証券が、振替法に基づく振替制度の振替決済に係る有価証券…(中略)…であるときは、振替法…(中略)…の定めにより、お客様は振替口座簿上の当社質権欄への増加の記載または記録をする方法により根質権を設定するものとします。
これはすごく簡単にいうと、「上場株式を担保とする場合は、法令の定めに従い、この株式には質権が設定されていることを記録するからね」ということを書いています。
もしもその記録内容が株式を発行している企業に提供された場合は、自分が借金をしていることが第三者に把握されてしまうことになります。
この点が気になったので、野村信託銀行に問い合わせをしてみたところ、メールで、以下の要領の回答がありました。要するに、発行会社に把握されることはない、ということになります。
野村Webローンの担保権は、原則として略式質のため、発行会社へ通知は行われず、株主名簿に
記載されるものではない。そのため、株主名簿への記載により第三者に把握されることもない。
略式質というのは、質権の設定方法のひとつで、簡単にいうと、「質権を設定していることを債権者と債務者だけで把握して、担保に差し入れている株式を発行している企業には知らせないことにする」という種類のものとなります。
僕の場合【強制決済リスクを抑えつつ活用中】
【強制決済リスク対策】借入限度額のルールを作り運用する
僕の場合は強制決済されてしまうのを避けるために、自分なりに借入限度額を設定して、その範囲内で借入を行っています。
2024年6月1日現在、担保に差し入れている株式の時価評価額は500万円程になりますが、借入額は約85万円です。
野村Webローンは、株式を担保とした場合、時価評価額の50%まで資金の借り入れが可能です。
したがって、500万円の株式を差し入れた場合は250万円まで借入ができます。
野村Webローンのルール上、借入額が担保価値を上回ると、担保に差し入れた株式を強制的に売却されたり、即時返済を求められる可能性があるため、満額(上の例でいうと250万円)を借りるのは抵抗があります。
そこで僕は借入限度額を時価評価額の17.5%と設定したうえで、おおむねこのラインに収まるように意識しています。
強制決済のリスクは排除しつつも借入によるレバレッジ効果を享受したいと考え、自分なりにあれこれ検討してこの運用となりました。
【少額でもレバレッジ効果を享受する】マネックス証券で株を買い、野村證券に移管する
野村證券で株を買うと所定の売買手数料がかかってしまいます。
手数料は馬鹿になりませんので、可能な限り抑えて資産形成したいと考え、僕が実践しているのが、「マネックス証券で株式を購入し、購入した株を、野村証券に移管する」という手法です。
マネックス証券では「ワン株」というサービスを提供しており、単元未満株を手数料無料で購入することができます。
野村Webローンは少額から借入できるのが特長ですが、10万円で単元株(多くの上場株式は100株)まで買えない企業も多くあります。
例えば、1株5,000円の株を購入する場合、100株購入するには50万円必要ですが、マネックス証券のワン株を利用すれば、20株(100,000円÷5,000=20株)購入することができます。
マネックス証券であれば、1株から、手数料無料で購入できますので、少額の借入でもレバレッジ効果を享受することが可能です。
僕の場合は野村Webローンでの借入や自己資金を併用してワン株で単元未満株をコツコツ購入し、単元株(100株)になった段階でマネックス証券から野村証券に移管しています。もちろん、移管手数料は無料です。
そして、移管した株式を野村Webローンで担保設定することで時価評価増加→借入限度額上昇という流れで運用しています。
上記を整理すると以下のようになります。
①野村Webローンでお金を借りる【金利は1.5%】
②借りたお金を野村證券から銀行口座に出金する【振込手数料0円】
③銀行口座からマネックス証券に入金する【銀行によるが、主要行であれば振込手数料0円】
④マネックス証券「ワン株」で株を買う【購入手数料0円】
⑤単元株化した株を野村証券に移管する【移管手数料0円】
⑥移管した株を担保設定する【手数料0円】
⑦担保価値が上がるので、①から繰り返し
まとめ:借金を毛嫌いせずに上手に使おう
今回のまとめです。
借金というと悪いことだと思いがちですが、金利よりも高い利回りで運用できる見込みがあるなら活用してもよいと思います。
もっとも、いきなり何千万円もの借金をするのは心理的なハードルだ高いと思いますので、最初は10万円借りてみる、うまくいったらもう少し額を増やしてみる、というように、少しずつ増やしていくのがよいでしょう。
資産運用を効率的に行いたい人の参考になれば幸いです。
それでは今回はこの辺で!